ここ ちゅう ぶ。 夏目漱石 こころ

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「どうして……、どうして……」 先生は同じ言葉を二 遍 ( へん )繰り返した。

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益虫

先生はそれを奥さんに隠して死んだ。 その晩私は先生といっしょに 麦酒 ( ビール )を飲んだ。 私は最初から先生には近づきがたい不思議があるように思っていた。

29

益虫

そうしてその悲劇のどんなに先生にとって 見惨 ( みじめ )なものであるかは相手の奥さんにまるで知れていなかった。 動けるだけ動きたいのでしょう。 二 丁 ( ちょう )ほど沖へ出ると、先生は後ろを振り返って私に話し掛けた。

26

ここ ちゅう ぶ

向うの方で 凸凹 ( でこぼこ )の地面をならして新墓地を作っている男が、 鍬 ( くわ )の手を休めて私たちを見ていた。 (奥さんの名は 静 ( しず )といった)。

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ここんちゅう

射すかと思うと、すぐ消えるには消えたが。

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~中(ちゅう・じゅう)

それで夏休みに当然帰るべきところを、わざと避けて東京の近くで遊んでいたのである。 私 ( わたくし )はその人を常に先生と呼んでいた。 物欲しそうに自分の 室 ( へや )の中を 見廻 ( みまわ )した。

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~中(ちゅう・じゅう)

先生はそれでなくても、冷たい 眼 ( まなこ )で研究されるのを絶えず恐れていたのである。 先生はそれを落すために、後ろ向きになって、浴衣を二、三度 振 ( ふる )った。

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